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第102話 あなたにとってのお星さまは、だあれ?

last update Last Updated: 2026-01-08 06:07:03

「違うっ! 確かに、私の……“俺”の弱さのせいで、母さんは死んだ! 二度とはもう戻らない。だがっ!」

「だが? ほほう、ハンノキの王の世界に連れ去れば、愛する者は傷つかずに済むとでも?」

「そうだ! この世は、争いとエゴに満ちている。肉体がある限り、苦しみはなくならない! どんなに、心が美しくとも、いずれは傷ついて――」

「待つがよいっ!」

 すかさず、横合いからバージル殿下が隙をつき、一太刀!

 切り払ったのは、ローラント殿の半身を覆い尽くさんとする、黒い茨。

「私は、傷つくことを恐れないぞ! ローラントっ!」

「くっ!? 殿下っ!」

「聞け、私は融通が利かない石頭だ!」

「……はあ?」

 唐突に、バージル殿下が叫んだ。

 あまりに的外れで、あまりに自虐的。誰もが、呆気にとられた。

 けれど、それこそが――この一件を通し、バージル殿下なりに悩み、出した、不器用すぎる答えだった。

「そこまで、周りから煙たいと思われているとは知らなかった! ああ、空気も読めないとも! 乙女心も、臣下の気持ちも、察せられない愚かな男だ! おまけに人を見る目もないっ!」

 腹心に裏切られ、疑いの眼を向けた者たちは、逆に軒並み味方だった殿下。

 自分の無力さを、これでもかというほど思い知らされた、この夜。それでも、殿下は未だに腐らず、なおも真っ直ぐに、ローラント殿に向き合おうとする。

 茨が殿下の頬を掠め、鮮血が舞う。それでも、殿下は一歩も退かない!

「だがな、そんな愚かな男でも、民が抱える苦しみを背負い、友の悲しみに寄り添う覚悟くらいはあるのだぞ! 私を甘く見るなッ!」

「……そのような覚悟は、なくても良いのです。平穏な魂の世界ならば――」

「葛藤のない世界に、勇気や気高さを発揮する機会などないっ!」

「――っ!?」

 バージル殿下は、どこまでも古風な人だった。頭でっかちのどうしようもない理想主義者。

 でも、だからこそ――まっ
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